COLUMN

中井観光農園

北海道余市町にある観光農園。道路から敷地に入ると売店があり、その奥に進むと様々な果樹が植わっている。美味しそうな果物だなぁ・・・と涎を我慢して畑を進むと、穏やかな丘に整然と並ぶブドウの木がパーっと広がる。そしてその先に見えるのが青い海と印象的なシリパ半島。吸い込まれるような景色だ。

今回お邪魔したのは、中井観光農園の中井淳さん。息子さんの瑞葵さんにもお話を伺った。余市のワイン産地としての歴史は40年程前に遡るが、中井さんのお父様は、余市でワイン用ブドウの栽培を大々的に手掛けた7人の内の1人だ。現在、ワイン用ブドウは5haの栽培面積にまで増え、リンゴやサクランボ等の果樹を含め、計8haの畑を管理されている。

中井観光農園の売店。中にはワインやジュース、ジャム、季節の果物等が販売

先代達から受け継いだ畑を守り続けて

中井さんは4代目。代々続く果樹園には、リンゴやサクランボ、プルーン、梨、プラム、ネクタリン、生食用ブドウ等が植わっている。観光農園として運営していることもあり、小さな子供から大人までお客様が出入りする。特に夏から秋にかけては、たわわに実ったフルーツを収穫して頬張る人の姿が見られる場所だ。その場所にワイン用ブドウが植えられたのは、中井さんの先代から。1970年代頃からリンゴ価格の大暴落が起こり、余市の若手農家7人がワイン用ブドウに活路を見出したのだ。その歴史を物語る様に、畑には37~38年前に植えられたケルナーの古木もある。