COLUMN

コルトラーダ

北陸新幹線上田駅から車で20分強。長野県東御市にある一本梅雨とは思えないほどの猛暑に見舞われた前週とは打って変わり、訪問前夜に大雨に見舞われた中国地方…波乱の幕開けである。東京からの参加組は首尾よく飛行機で岡山空港に入り、レンタカー移動したのだが、電車&バスで現地入り予定だったライターは大雨の影響で足止め。取材に間に合わなかったのだ(涙)。ということで、今回は、いつもと少し方法を変えて。チームから受け取った情報を元に、皆さまにお伝えしたいと思う。の「通り」に来た。今回訪れたワイナリー、Rue de Vin(リュードヴァン:ワイン通り)だ。県内初のワイン特区として認定を受けた東御市の、ワイン特区第1号ワイナリーでもある。

▲ ワイナリーの外観。木をふんだんに使った造りで趣がある。
▲ 窓際のディスプレイに温かみを感じる。

岡山県新見市にあるコルトラーダ。岡山空港から車で北西に1時間半。岡山駅から特急電車とタクシーで移動した場合も1時間半といった距離感だ。この地に移住し、ワイン造りに向き合っているのが今回の取材相手の保坂耕三さん。淡々とした語り口だけど、おかしいと思うことはきちんと口にする様子に不屈の精神を感じ、全てを包み隠さず語られる姿に誠実で実直なお人柄を感じさせられた。やはり、強い人は優しいのだ。

▲ くしゃっとした笑顔を見せてくれた保坂さん。つられて笑ってしまいそうだ。

ワインに出会う前

僕のワイン造りは趣味では保坂さんが新見市に移住したのは2011年秋。以前は有機野菜の栽培、流通、販売などに長く従事されていた。また、1999年に法改正され導入された有機JASの認定審査の事務局にもおられ、初年度の認定業務を担当されたそう。「関係者全員が手探り状態だった」と振り返られた言葉から、その仕事の大変さがひしひしと伝わってくる…この頃の保坂さんは、ワインに対してちょっとお高くとまった印象をお持ちだったようだ。ところが、イタリア旅行でそのイメージは覆され、ワイン造りの道に進むことを決めてしまうのだ。なく、事業です。事業だから利益を出して、持続可能な形で経営しているのです