COLUMN

10R

ウサギなど野生動物による被害が激しいとおっしゃっていたのは昨年。ついに今年は自社畑に金属製の柵が設置されていた。

高校生の時にチェーンのハンバーガー屋さんでアルバイトをしていたんですが、そのときに『こういう仕事は絶対にしたくない。自分は好きなことを仕事にできないとダメだ。』と思ったんです。

大学では医学の勉強を始めたけれど、周囲は皆すごく真面目で、一方私は不真面目で遊んでばかりいました。そのときに、またハンバーガー屋さんのことを思い出して、この勉強も自分にとっては好きなものとはちょっと違うな、と思いました。

医学生としての道を逸れ、友人とともにワインテイスティング・コースに参加したことがきっかけでワインにのめり込んだブルースさんは、UCデイヴィスで醸造を修める。

卒業後はナパヴァレーでのコンサルタントを経て、ココ・ファームで醸造を手掛けた。

そして、北海道の地で独立をする際、ココ・ファームでの問題意識をより具体的に解決していく方法として選んだのが、委託醸造というスタイルだった。

もともと委託醸造所をつくりたかったんです。

当時、日本には他に例がありませんでした。本業で委託醸造やっているところはなかったんです。

その動機としては、だいぶ前の話ですけどココ・ファームで海外原料を使用してワインを造っていた、ということがあります。畑を用意する必要もなく、電話一本で届くし、価格も安かったのですが、それはやっぱりやめたほうがいいと思っていました。

コスト面でのメリットがあまりにも大きかったので、理解をしてもらうには中々の時間がかかりましたが、最終的には90年代半ばに全てを国産原料に切り替えました。

その一方で、日本で良い葡萄を見つけることはとても難しいことでした。日本での葡萄栽培はやはり困難なものでしたが、そこで日本の葡萄栽培技術を向上させていきたいと思ったのです。


北海道をはじめ、新しい生産者が次々と生まれている地域では、ドメーヌに拘る傾向が強く存在している。

ある種、自己実現的な要素が強い分野であるから、0から10までを自分自身の手で仕上げたいという思いが、新規ワイナリーに共通しやすい理想であることは納得のいく話だ。

一方で、委託醸造は葡萄農家の育成というより、産業の発展に主眼が置かれた取り組みである。

ワインを造れば、原料の葡萄の質がわかる。原料の質が分かれば、その品質の向上を目指した改善をすることができる。結果的にワイン造りが葡萄栽培の技術を押し上げるというものだ。