COLUMN
山形・高畠ワイナリー
夏休みが始まるこの時期。一年で一番暑いとされる大暑入りが前日に発表されただけあり、インタビュー当日も朝から異常に暑い!!東北地方だから暑さはマシだろうなんて思うのは大きな間違い。山形県は四方を山で囲まれた山形盆地により、熱が溜まりやすい環境にある。そして、1933年に40.8℃という気温を出し、2007年までの74年間、日本の観測史上最高気温を誇った場所でもあるのだ。
そんな山形盆地から南に下り、置賜というエリアにあるのが、今回のインタビューのお相手の所在地、高畠町だ。『まほろば(「周囲を山に囲まれた平地で、住みよい美しいところ」という意味)の里』と呼ばれる町で、平坦部では稲作が、山間部ではブドウなどの果樹が栽培される実り豊かな土地である。しかーし、置賜も盆地なので、夏は暑い!朝からお邪魔したが、一瞬にして滝汗が流れる…。
今回は、そんな暑さをものともしない、高畠ワイナリーの皆さんが目指すワイン造りについて話を聞いてきた。


ワイナリー名に込められた思い
高畠は四方を山々に囲まれた置賜盆地の南部に位置する。山間部を利用する形でブドウ栽培が始まったのは、明治時代。欧州系ブドウが試験栽培されたが、ヨーロッパとの栽培環境の違いや当時の技術力では栽培が難しく、広がりは見せなかった。しかし、明治から大正にかけて始まったデラウェアの栽培が大成功。今では、日本一のデラウェアの産地として知られるほどに成長している。成功のカギとなったのが高畠という栽培環境だ。夏から秋にかけて盆地特有の昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ栽培に適している。また、4月から10月のブドウ生育期間の降水量は800-900mmと比較的少ない。更に、海底から隆起した山間部の地層には、海洋生物の化石が多く、ミネラル分も豊富。排水と保水のバランスが良いのだ。
