COLUMN

ヨネファーム東御

インタビューのお相手、米倉さんとは、地元で大人気のやきそば・ワンタンのお店「開花亭」で待ち合わせ。到着時には既に長い行列だったが、食い意地の張った我々にとって行列なんて怖くない。米倉さんへのご挨拶も早々に、熱々の焼きそばとワンタンを汗タラタラで食すところからのスタートとなった。こんな素敵なお店での待ち合わせを提案して下さったくらいだし、さぞかし何度も来店しているかと思いきや、2回目という米倉さん。普段はきっと、畑仕事が忙しくて、のんびりランチとはいかないのだろう…

▲ くしゃっとした目元が印象的。優しい笑顔の米倉さん。

2018年に東御市でワイン用ブドウ栽培を開始した米倉さんは、3ヶ所に跨る約5haの畑で多種多様なブドウ品種を一人で栽培するスーパーマンだ。口数は少なめ。反射神経的に言葉を発するのではなく、自分の中で納得したことだけを話すからだろう。だからこそ、発せられる言葉には強い意志を感じる。そんな米倉さんの現在とこれからについて色々とお話を伺った。

広がる畑の管理

米倉さんがワイン業界に足を踏み入れたのは50歳を目前にした頃。その前から15年間毎月ワイン会を開催し、友人達と世界各地のワインを楽しんだり、ブルゴーニュ、ローヌ、カリフォルニアといった銘醸地を訪問し、栽培・醸造を体験したりと、趣味以上仕事未満の熱量でワインと関わってきたが、とうとう仕事にする決意を固め、25年勤務した通信系会社を退職。2015年に東京、神楽坂でワインバー&ショップをオープンしたが、ワインとの関係が深まる中でワイン造りへの興味が増し、開店数年で再度転身を図る。長野県東御市が募集していた千曲川ワインアカデミーの3期生として、2017年に移住するのだ。そして、信州うえだファームの研修生として農業研修も受け、2019年に独立する。